内浦湾内、誕生寺前の渡船場から東南方へ船で五分ぐらいの海域で、伊貝島、弁天島などの近辺に多数のタイが群生するので、このあたりを「妙の浦」と呼んでいる。
ここに集まるタイ類は、大部分がマダイで、ほかにクロダイメジナ、イスズミなどが混っている。マダイは、深さ30~150メートルぐらいの海中に生息し、普通はその中層あたりを泳いでいる定着性の近海魚である。しかし、鯛の浦は、10~30メートルの浅海でしかも限られた狭い海域に生息し、人間の投与する餌(魚の切身など)をよく食べるのは、ほかに見られない現象である。
日蓮聖人が誕生した古来折衝禁断の聖地であり、観光船の船端をたたくと海底から姿を浮上させあらそって餌をもとめるのは不思議なことといわれている。